XPS:X線光電子分光法
妨害ピーク
XPS分析では評価に使用する光電子ピーク*以外に、他軌道からの光電子ピークや、X線励起のAugerピーク等も検出されます。元素の組み合わせによっては、これらのサブピークが目的のピークに重なって評価を妨害することがあります。
*通常、最外殻に近い内殻準位から放出された、強度の高い光電子ピークを使用します。
XPS分析の定量計算では、このような妨害ピークについて、主として以下の2方法による除去計算を行っています。
- 感度係数比を用いた除去
- 波形分離を用いた除去
データ例
感度係数比を用いた除去

TaNの場合、評価ピークTa4f, N1sに対して、TaのサブピークTa4p3/2がN1sに重なります。
Ta4p3/2は感度係数情報を持つため、Ta4fとTa4p3/2の感度係数比を用いてTa4fの面積値からTa4p3/2の面積値を推定し、除去します。
波形分離を用いた除去

GaNの場合、評価ピークN1sに、GaのAugerピークが重なります。
Ga Augerピークには感度係数情報がないため、波形解析によりピークを分離し、除去します。