微量成分のNMR分析が可能です
概要
核磁気共鳴分光法(NMR)は、有機物をはじめとした様々な化合物を対象として、分子構造や分子間相互作用、分子の運動性などの多様な情報を得ることができる分析手法です。本資料では超低温プローブを用いることで、汎用的な室温プローブに比べてより高感度な測定を行った事例を紹介します。
超低温プローブの特徴


図1 : 超低温プローブの構造(模式図)
プローブは、NMR分析においてラジオ波の照射やNMR信号の検出を行う箇所です。超低温プローブでは、プローブ内を循環する液体ヘリウムにより検出コイルやアンプなどの検出回路が極低温まで冷却されます(試料は冷却されません)。プローブの冷却により、コイルの感度が高まると同時に、検出部における熱ノイズが減少し、汎用的な室温プローブに比べてNMR信号におけるS/N比(信号-雑音比) が大きく向上します。
天然物等の微量成分を対象とした構造解析や低感度な核種の測定に有効です。
分析事例
クチナシの果実などに含まれる配糖体ゲニポシドを試料として、室温プローブ・超低温プローブそれぞれを用いて同一条件で¹³C-NMR測定を行い、スペクトルを比較しました。


図2 : ゲニポシドの構造式
超低温プローブを用いることで、室温プローブに比べてS/N比が約3倍になっており、ピークとノイズの区別がより明確になっています。このように、超低温プローブの使用により、従来の室温プローブよりも高感度に測定することができます。


図3 : ゲニポシドの¹³C-NMRスペクトル
