マスアレイ法により複数の遺伝子多型を同時に解析できます
概要
薬物の代謝活性には個人差があり、この違いは遺伝子多型に起因するとされています。ゲノム薬理学(PGx:Pharmacogenomics)分野では、遺伝子多型を調べることで、医薬品の効果や副作用、薬の組み合わせの影響などを考慮したオーダーメイド医療への応用が期待されています。 本資料では、マスアレイ法によるデザイン済み解析ツールを用いた薬物代謝に関わる遺伝子多型解析について紹介します。20の薬物代謝関連遺伝子について、SNP(Single Nucleotide Polymorphism:一塩基多型)やCNV(Copy Number Variation:コピー数多型)の解析結果から遺伝子多型を判定します。
分析例
デザイン済み解析ツールで解析可能な20の薬物代謝関連遺伝子
| ABCB1 | APOE | COMT | CYP1A2 | CYP2B6 |
| CYP2C19 | CYP2C9 | CYP2D6 ※ | CYP3A4 | CYP3A5 |
| DRD2 | F2 | F5 | GLP1R | MTHFR |
| OPRM1 | PNPLA5 | SLCO1B1 | SULT4A1 | VKORC1 |
例(※): CYP2D6 (cytochrome P450 family 2 subfamily D member 6) は、抗うつ薬やβ遮断薬、抗不整脈薬など多くの薬の代謝に関与しており、代謝活性の低い遺伝子型があることが分かっています。
測定例
デザイン済みの解析ツールを用いれば、20の遺伝子の68か所のSNPを同時に解析することが可能です。また、質量分析を利用しているため、対立遺伝子が3つ以上ある場合でも、1回の測定で塩基を決定することができます。

上記図は、CYP2D6遺伝子のSNPのひとつであるrs5030865の解析結果を示しています。rs5030865では、1つの塩基「G」を検出していることから「GG」のホモ型であることがわかります。このように複数のSNPを解析することで、遺伝子型の判定を行います。
備考
• 遺伝子・SNPの解析ツールはカスタマイズも可能です。
• マスアレイ法・SNP解析については以下も合わせて、ご参照ください。
– マスアレイ法について(A0081)
– マスアレイ法によるSNP解析について(B0295)
– SNP解析の概要と特徴について(B0298)
• LC/MS等を用い、血中・尿中の代謝物の定量評価なども可能です。分析事例は以下をご参照ください。
– レスベラトロールの血液中・尿中の成分濃度分析(C0431)
– 涙液・唾液中の成分分析(C0487)
– 尿中のカテキン代謝物のLC/MS/MS分析(C0505)