XPSのC1s波形解析からの分離
概要
高硬度・高耐摩耗性等の特長から、幅広い分野で活用されてるDLC(ダイヤモンドライクカーボン)膜は、グラファイトとダイヤモンドの中間に位置した材料であり、膜中のsp2(グラファイト構造)とsp3(ダイヤモンド構造)を分離して求められるsp2/(sp2+sp3)比は、膜の特性を決定する重要な要因の一つとなります。
このsp2/(sp2+sp3)比について、XPSのC1sスペクトルを波形解析することで評価した例をご紹介します。
データ
波形解析よりsp2,sp3の分離が行えます
sp2とsp3ではピーク位置、形状が異なることから波形解析による分離が可能です。
C-O等が存在する場合も、併せて分離します。
※表面敏感のため表面汚染を含めて見積もっています。(~数nm程度)
※波形解析依存が大きいため、同一の波形設定で試料間比較を行います。

高精度評価前のスクリーニングとして有効です
XPSから得られる結果は、波形解析由来の不確かさを伴うものの、測定が簡便・短納期・安価・繰り返し精度が高い等、多くのメリットがあります。
このため、高精度評価法であるXAFS分析の前のスクリーニングとして有効です。
本結果においては、XAFSとも比較的良い一致が見られました。

※XAFS分析については「C0379_DLC膜のsp2/(sp2+sp3)比高精度定量化」をご覧ください。