ケミカルシフトを利用して窒素の置換位置の同定や定量的な分離が可能です
概要
燃料電池の電極触媒であるPtに替わる材料として、窒素(N)原子を導入したカーボン材料が注目を集めており、その触媒活性にはカーボン材料中に存在するNの置換位置が大きく関わっています。XPS分析では、Nの結合状態や置換位置の違いによりケミカルシフトが生じるN1sスペクトルの評価を行うことで、Nがどの位置のCと置換されたのかの同定や定量的な分離が可能です。
以下に、評価例を示します。
データ
Nのケミカルシフト
N1sでは、カーボン材料においては直接の結合元素がOだけでなく、C,Hのみでも、Nの置換位置によって下記のようなケミカルシフトを示すことが知られています。

窒素ドープカーボン材料のNの置換位置評価
N1sのケミカルシフトを利用することで、注入したNがどの位置のCと置換されたのかの同定や定量的 な分離が可能です。
図1 N1sスペクトルの波形解析例

表1 各置換位置の存在割合(%)

参考文献:Binghu Wang,et al., Electrochimica Acta 241 (2017) 1.