自由エネルギー計算から分子の透過性に関する知見が得られます
概要
化粧品、医薬品などの開発にあたっては生体内への有効成分の浸透や透過性を制御することが重要です。分子動力学計算から求められる自由エネルギーは系の安定性の予測に加え、空間的、時間的に揺らぎのある系の物質分配、輸送現象の理解に繋がる重要な値であり、例えば生体膜に対する分子の透過性に関する知見を得るのに有効です。本資料では水溶媒中の脂質二重膜を例に、ベンゼン、二酸化炭素が移動したときの自由エネルギー値から、膜中の分子の透過性を議論した事例を紹介します。
データ
親水性頭部が外側に、疎水性尾部が内側に分布することで、脂質二重膜を形成


脂質二重膜を中心から5Åごとの領域に分け、
各領域に二酸化炭素、ベンゼンが位置したときの
溶媒和自由エネルギーを求めました。
安定な領域に存在する分子は周囲と強い
相互作用が存在しており、その領域からの
移動が困難です。
脂質二重膜中を移動する分子の透過性は
二酸化炭素>ベンゼン
の傾向にあることが分かります。