MOF、ゼオライト等、ナノ多孔質体の吸着特性が予測できます
概要
MOF(金属有機構造体)は分離プロセス、触媒、ガス貯蔵などに対する応用可能性を秘めたナノ多孔質材料として注目されています。MOFのトポロジー、リンカー、金属ノードの組み合わせは膨大で、合成可能なMOFの種類はほぼ無限に存在します。そのため、新規MOF材料の開発には、事前のスクリーニングと構造、機能、特性の理解が重要です。本事例では種々のMOFへのCO2吸着量をGCMC(グランドカノニカルモンテカルロ)法により予測し、吸着特性に影響を及ぼす要因を考察しました。
データ
構造モデル(MOF、CO2)

CO2
Zn-MOF-5
Zn-MOF-74Mg-MOF-74
GCMC法
GCMC法は、系の化学ポテンシャル(μ)、体積(V)、温度(T)が一定に保たれ、粒子数(N)が変化する系を取り扱うことが可能なため、吸着現象や相平衡等の系の粒子数が変化する現象に有効な計算手法です。
理想気体の化学ポテンシャルは対応する圧力に変換できるため、圧力を指定したシミュレーションが可能です。
CO2吸着シミュレーション結果
T=297.15 K における各圧力に対するCO2吸着量を求め、吸着等温線を作成しました。CO2吸着量はMg-MOF-74 > Zn-MOF-74 > Zn-MOF-5 となりました。このように、気体成分(CO2、N2、O2、CH4等)の吸着特性の予測に活用できます。吸着量の差の要因について、MOF構造、金属原子(Zn、Mg)の2つの特性から考察しました。

CO2吸着等温線(T=297.15 K)
Zn-MOF-5、Zn-MOF-74の金属サイトの構造比較


配位不飽和サイト(Open metal site)を持つMOF-74はホスト-ゲスト相互作用しやすく、CO2吸着に有利
MOF-74中の金属原子(Zn、Mg)
| 金属原子 | 電気陰性度 |
| Zn | 1.65 |
| Mg | 1.31 |
MgはZnと比べて電気陰性度が小さく、CO2中のOと相互作用しやすいため、CO2吸着に有利